毎日の遺書

やがて伝説へ

2024/9/10

 部活の合宿を経て遺書を書く習慣が完全に消え失せてしまっていた。反省しなければいけないという思いもあるが、この遺書はあくまでも自分が万一死亡した時に何か残しておきたいことがあったという後悔がないようにするために書いているのでこれを読んでいるどこかの誰かのために書いているのではないのだという前提を思い出しておこう。

 とりあえずこうしてまた書き始めるまでにうっかり死なずに済んだことに感謝しよう。

 

 まず、このサボっていた2週間強で色々なことが起きた。

 最初に合宿を終えたわけだが、途中かなり精神的に厳しい日があった。大学にも入って一体何をしていると思ってしまうのだが、プレーの面で監督にこっぴどく𠮟られたことがあった。まずもって言いたいのが、俺は別に純粋に競技を楽しみたいだけでそんな勝ちたいとかそういうのは一切ないのだ。そんな感じだからお前は試合をやる資格がないとか言われたところで何も響かないし、悔しさも感じなかった。

 ただ、今後監督とどう接していけばいいか考えなければならないと思うと億劫になる。先輩が言うには日がたてば元通りに戻ってるらしいので次会う時はまあ大丈夫だろうとは思う。問題はこの日の夜にババ抜きで負けたせいでアイドルを踊らされそうになっていたのだ。結果的に踊らなくて済んだわけだが、帰ったらダンスが待っているのかという不安の中で監督とのいざこざだったから正直もう帰りたいとなるのは当然のことだろう。

 まあこれは二週間以上前のことなのでもう解決したというか自然消滅したと言っていいだろう。

 

 次に映画「箱男」を見に行った。安部公房原作と言うので最初広告を見た時はかなりの期待があったし、待ちきれずに原作を読んだときは相当ワクワクしたのだが、実際映画を観てみると思っていたのと違う感じになっていたのでかなりガッカリした。

 作品全体に立ち込める空気感的なものは悪くなかったのだ。しかし、物語の展開の順序だったり、急なアクションシーンなどにはかなり萎えた。個人的には原作の冒頭であった生態の説明の描写が特に気に入っていたのにそれを省かれたのが一番残念に感じた。

 

 そして、肝心な自分のことについてだが、ひとまず作品を一つ完成させることがきた。今まで何となく書いてきたものとは違って一番クオリティの高いものに仕上げることができて純粋に成長を感じている。勿論もっと改善できるところは山ほどあるので今後の制作に活かしていきたいところだ。そして、一応作品賞に応募をした。結果発表は12月とかになるらしいのでその時は存在を忘れていたとなるぐらい他の作品作りに没頭しているようにしたい。

 そして、一度完成を経て何かつかんできたのかここ最近はラノベよりも文藝の方が筆が進む。早速新作を書き始めているわけだが、今までとは違いそれなりに秩序というか意図が伴った描写ができるようになってきた気がする。とりあえずはこの調子で短編を書き続けていこうと思う。そのうち大学の文芸部にも久々に顔を出してもいいかもしれない。

 最近サカナクションアイデンティティに滅茶苦茶ハマっているので映像化したらこの曲の雰囲気が合うような作品をつくるのを目指してやってみようと思う。

 

 とりあえずまだ死ぬつもりはないのだが、もし死んでしまったらどうなるだろうか。そういえば、今まで書いていなかったがいつ死んでもいいようにこうして遺書を用意しているほかに形見になるようなものをつくりたいということでいつもネックレスをしているのだ。何か特別なものかと言われれば、普通にすみだ水族館に売っていたサメの歯の化石なだけだが、かれこれ一年は付けているので他のものとは違う俺だけのもの感が少しずつ定着しつつあるのでもし万が一俺が死んでしまったら頑張って遺体からその形見を回収して持っていてほしい。

 まあ、もっと形見らしさを出すために十年近くは少なくとも身につけておきたいのでやっぱりまだ死ねないな。

 

 とりあえず今日は終わりにするが、また明日からこの習慣を復活させようと思うのでこれからもよろしく?

 

 では、お先に。